もくじ

1.睡眠不足とは?

2.睡眠不足を解消する方法6選

3.睡眠の質を高めるコツ3選

4.今日の夜は熟睡して、明日元気に過ごそう

睡眠不足とは?

睡眠不足とは、睡眠が足りていない状態のことです。寝不足と呼ばれることもあります。
睡眠不足のおもな原因は、不規則な生活、運動不足、ストレスなどが挙げられます。また、就寝前の飲酒や喫煙、カフェインの摂取、スマートフォンやパソコンの使用なども睡眠不足の原因になりかねません。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群、うつ病などの病気の影響によって睡眠不足になってしまう方もいます。
適正な睡眠時間は、個人差がありますが、1日6時間以上を確保することが推奨されています。

睡眠不足を解消する方法6選

睡眠不足が与える影響は、単に「眠い」「ぼんやりする」というだけではありません。やる気が出なかったりうっかりミスが増えたりするほか、睡眠不足が続くと生活習慣病のリスクが上がることが分かっています。
寝つきをよくしてぐっすり眠るために取り組みたい、6つのことをご紹介します。

 

夕食は就寝の3時間前までに済ませる

夕食はできるだけ就寝時間の3時間前までに済ませましょう。食事をとると、胃や腸は消化活動を始めます。食べてすぐは内臓が活発に動いているため、眠っても体が休息をとれません。
胃の中に食べ物が留まる時間は、ご飯やうどんなどの炭水化物が2~3時間、魚や肉などのたんぱく質が4~5時間程度、脂質が多いものは7~8時間です。ステーキやトンカツといったたんぱく質や脂質を多く含んでいるメニューを食べた後に、なかなかお腹がすかないのはこのためです。
消化にかかる時間は食べる量や年齢、体質によっても異なりますが、主食となる炭水化物を消化できる3時間を目安に、胃の中に食べ物が残っていない状態で眠ることを心がけましょう。夕食はできるだけ消化にいいメニューにして、お腹いっぱい食べずに軽めに済ますのも効果的です。

 

お風呂は就寝の2時間前までに済ませる

ぐっすり眠るためには、お風呂を就寝の2時間前までに済ませるようにします。これは眠りに入るタイミングで体の深部体温を下げるためです。
深部体温とは内臓や脳など体の中心部分の体温のことです。入浴を就寝の2時間前までに済ませておくと、お風呂に入ることで上昇した深部体温が下がり、体が休息モードになるタイミングで眠りに入ることができます。反対にお風呂に入った直後は深部体温が上がっているため、すんなり寝付くことができない状態だといえるでしょう。

 

シャワーではなく湯船につかると良い

深く眠るためには、お風呂に入ったときはしっかりと湯船につかり、深部体温を上げることを意識しましょう。シャワーのみで済ませると深部体温が上がらず、結果的に深部体温を下げることも難しくなってしまいます。
湯船のお湯は40度程度が適温で、入浴時間は15分程度が目安です。42度以上のお湯につかると体温が上がりすぎて覚醒してしまうため、熱々のお風呂は避けましょう。

 

室温は低めに設定する

寝る前に深部体温が下がるとぐっすり眠れることは、すでにご紹介しました。深部体温は手や足の表面から体内の熱を逃がすことで下がります。このとき周囲の温度が高すぎると、熱をうまく逃がすことができません。深部体温を下げるために、睡眠時の室温は「少し涼しいな」と感じる程度に設定しましょう。
厚生労働省が発表した「健康づくりのための睡眠指針 2014」によると、睡眠に悪い影響を与えない室温は13度から29度です。気温が高い夏は25度~29度前後、気温が低い冬は15度~20度前後が適温だといえるでしょう。そのうえで布団の中は33度前後に保てるようにします。
夜でも蒸し暑さを感じる夏は、エアコンを一晩中稼働させて睡眠に適した室温をキープするのがおすすめです。夜中に暑さで目を覚ましてしまうことを防げるだけでなく、熱中症予防にもなります。

 

アルコール・カフェインを控える

お酒を飲むとすぐに眠れるという人は多いでしょう。しかしアルコールを摂取した状態で眠ると、睡眠途中で目が覚める中途覚醒を引き起こしやすくなり、結果的に睡眠時間が減ってしまいます。さらにアルコールに慣れることで少しずつ量が増えると飲み過ぎにつながり、健康によくない影響を及ぼしかねません。
カフェインは、コーヒーや紅茶、緑茶、エナジードリンク、チョコレートなどに含まれている成分です。カフェインには覚醒効果があり、眠る前にこれらの飲食物を口にすると「眠気を感じない」「目が冴えてしまって眠れない」という状態を引き起こしやすくなります。カフェインが含まれている飲食物をとるのは、就寝の3~4時間前までにしましょう。
ただしカフェインの感受性は個人差が大きく、「コーヒーをひと口飲んだだけで眠れなくなる」という人もいれば、「寝る前に摂取してもまったく睡眠に影響を感じない」という人もいます。カフェインと上手に付き合っていくには、自分がどの程度カフェインに敏感なのかを知っておくことも大切です。

 

寝る前はスマートフォンを触らない

眠る前のくつろぎタイムや眠れないときに、ついスマートフォンを操作してしまう人は多いのではないでしょうか。スマートフォンの画面が発する明るい光は脳を覚醒させてしまうため、寝る前には画面を見ないようにしましょう。
スマートフォンを見ると目が冴えるのには、メラトニンという体内時計を調節するホルモンが関係しています。メラトニンは日中はほとんど分泌されず、朝目が覚めてから14~16時間が経過すると分泌量が増えていきます。夜になると眠気を感じるのは、メラトニンが分泌されるからなのです。
しかしメラトニンは光の影響を受けるため、周囲が明るかったり、スマートフォンの画面を見つめたりしていると光の刺激によって分泌が抑制されてしまいます。スマートフォンだけでなく、パソコンのモニターやテレビ、コンビニの店内照明なども例外ではありません。寝る前にはスマートフォンを触るのをやめ、明るい光を目に入れないようにしましょう。
スマートフォンによる寝不足は若い世代に多く、ゲームや動画視聴がやめられないことで夜更かしの原因にもなってしまうため、上手に付き合うことが大切です。
真っ暗な部屋にする
よく眠るためには寝室を真っ暗にしましょう。「豆電球を消す」「光を出す時計や家電を置かない」「遮光性の高いカーテンを使う」といった方法があります。これは明るい光によってメラトニンの分泌が抑制されてしまうことを防ぐためです。
それでも寝付けないときは、就寝する前から部屋の明るさを落とすようにしましょう。また、明るさだけでなく光の色も大切です。蛍光灯のような白い光よりも、オレンジ色の電球色のほうがメラトニン分泌を抑制する効果が弱いことが分かっています。調光機能や調色機能のあるLED照明なら、時間帯によって明るさを落としたり光の色を変えたりでき、睡眠不足解消に役立ちます。

睡眠の質を高めるコツ3選

睡眠は「時間」だけでなく「質」も重要です。睡眠には体を休めて疲れを癒やすだけでなく、起きている間に見たり聞いたりした情報を記憶するという役割もあります。また、睡眠中に分泌される成長ホルモンは体内の細胞を修復し、骨や筋肉を強くします。質の高い睡眠が生活にプラスに働くことは、いうまでもないでしょう。ぐっすり眠ってスッキリ目覚めるために大切なことをご紹介します。

 

生活リズムを整える

質の高い睡眠を取るには、生活リズムを整え規則正しい生活を送ることが大切です。人間には体内時計があり、約24時間で睡眠と覚醒を繰り返すサーカディアンリズムを刻んでいます。朝は太陽の光を浴びることで目が覚め、暗くなるにつれ自然に眠くなるのは、サーカディアンリズムのおかげなのです。サーカディアンリズムが乱れれば睡眠も不規則になり、「夜なかなか眠れない」「寝つきが悪い」といった悩みにつながってしまいます。
人間が持っている体内時計の周期は実は約25時間で、1日の長さとはズレがありますが、朝起きて太陽の光を浴びるとそのズレが修正されることが分かっています。生活リズムを整えるにはまず、毎日決まった時間に起きてカーテンを開け、自然光を浴びることから始めましょう。そのうえで食事を決まった時間にとり、「夕食は就寝の3時間前まで」「入浴は就寝の2時間前まで」といった快眠にプラスになることを実践していくのがおすすめです。
睡眠は貯めることができないため、平日は睡眠時間がとれないからといって休日に長めに寝ても、根本的な解決にはなりません。毎日同じ時間に起きて寝ることを心がけましょう。

 

適度な運動をする

夜ぐっすり眠るには、適度な運動で体を動かすことも大切です。日常的に運動する習慣がある人は不眠や中途覚醒に悩む人が少ないことが分かっています。
睡眠の質を高めるためのポイントは、日常的に無理のない範囲で運動を続けることです。普段はあまり体を動かせないからといって、時々激しい運動をしても意味がありません。それどころか快適な眠りを妨害する可能性もあります。1週間のうち5日以上を目安に、ジョギングやウォーキング、水泳などの有酸素運動に取り組むようにしましょう。
運動するタイミングは昼間がベストです。寝る直前に運動すると体温が上がり、寝付けなくなることがあります。昨今では「仕事をテレワークで済ませたので一歩も外に出なかった」など、運動する機会が減っている人も少なくありません。毎日快適に眠るためには、規則正しい生活を送ることに加え、無理のない範囲で運動の習慣も取り入れるようにしましょう。

 

自分に合った寝具を選ぶ

睡眠環境を整えることも、快適に眠るために必要なことです。マットレスや布団などの寝具が自分に合っているかどうか、さらにパジャマの着心地や快適性などによっても睡眠の質は変わってきます。
全身を預ける敷き布団やマットレスは、柔らかすぎると体が沈んでしまい、硬すぎると寝心地がよくありません。適した硬さは体型によっても変わってくるため、自分に合ったものを選ぶことが大切です。快適な睡眠のためには、枕にも注目しましょう。枕の高さや硬さが合っていないと、寝ている間に肩や首がこる原因にもなります。
寝具やパジャマを見直したいときは、ウェルネスブランド「TENTIAL」をチェックしてみてください。睡眠をサポートするリカバリーウェアや、機能性と肌触りのよさで快適な睡眠に役立つ寝具を取り扱っています。

今日の夜は熟睡して、明日元気に過ごそう

睡眠不足を解消できれば、疲れを翌日に持ち越すことなく朝はスッキリと目覚められます。きちんと眠ることは生活習慣病の予防になるのに加え、QOL向上にもつながるでしょう。質の高い睡眠を十分にとるためには、生活リズムを整えたり、自分に合った寝具を選んで環境を整えたりすることが大切です。まずは生活習慣を見直し、できることから取り組んでみましょう。

 

参考:
睡眠と生活習慣病との深い関係 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

健康づくりのための睡眠指針2014(厚生労働省)

食べ物が胃で消化されるのにかかる時間は、どれぐらい?(広島記念病院)

食物の胃内滞留時間(おぐりクリニック)

深部体温と熱中症 | 熱中症ゼロへ(日本気象協会推進)

食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~(厚生労働省)

カフェインと睡眠(NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター)

快眠と生活習慣 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

メラトニン | e-ヘルスネット(厚生労働省)

専門家に聞きました 今日から使える睡眠トリビア(厚生労働省)

寝室だけ暗くても意味ナシ! 睡眠の質は「寝る2時間前の照明」で決まる(J-CAST ニュース【全文表示】)

第3回 夜の過ごし方を変えて,良質の睡眠を手に入れる!(甲南大学)

睡眠とストレスの関係 (働く女性の健康応援サイト)

質のいい睡眠で、カラダも心も健康に。(スマート・ライフ・プロジェクト)

睡眠・覚醒リズム障害 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

快眠のためのテクニック -よく眠るために必要な寝具の条件と寝相・寝返りとの関係 | e-ヘルスネット(厚生労働省)