もくじ
1.紅茶は寝る前(2時間以内)は控えるのがベター
2.紅茶の成分と睡眠に関する効果
3.リラックス効果だけを得る!紅茶を寝る前に飲むときのポイント
4.飲むタイミングに気を付けて紅茶を楽しもう
紅茶は寝る前(2時間以内)は控えるのがベター
紅茶には覚醒作用のあるカフェインが含まれています。摂取してから30分~1時間程度で体内に吸収されます。寝る直前に飲むと、眠気が覚めたり眠りが浅くなったりする可能性があるため、控えるのがベターです。
カフェインが体内から排出される時間を考えて、紅茶を飲むのであれば就寝の3~4時間前がおすすめです。
ただし、紅茶はコーヒーと比べるとカフェイン含有量はそれほど多くありません。アミノ酸の一種であるテアニンという成分は、カフェインの吸収を抑えるはたらきをしてくれます。大量に飲まない限りは、紅茶のせいで眠れなくなることはないでしょう。
カフェインやテアニンなど紅茶に含まれる成分については、次の項で詳しく解説します。
紅茶の成分と睡眠に関する効果
紅茶にはカフェインやテアニン、カテキンなどさまざまな成分が含まれています。それぞれの成分は、睡眠にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
カフェイン:覚醒作用がある
カフェインには眠気を覚ます覚醒効果があります。2杯(200ml以上)飲むと睡眠に影響を及ぼす可能性があるため、就寝前の飲用には注意が必要です。
カフェインは紅茶やコーヒーだけでなく、さまざまなお茶に含まれています。各飲料の浸出液に含まれるカフェイン含有量は下記です。
飲料名 | 100 mLあたりの含有量 |
コーヒー | 60 mg |
紅茶 | 30 mg |
煎茶 | 20 mg |
ほうじ茶 | 20 mg |
ウーロン茶 | 20 mg |
玄米茶 | 10 mg |
出典:「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~」(厚生労働省)
カリウム:利尿作用がある
カリウムには、体内にある過剰なナトリウムを尿として排出する利尿作用があります。
紅茶に含まれているカリウム含有量は微量です。しかし飲み過ぎると尿量が増えて、普段よりも尿意を感じるようになります。夜中に覚醒したり、朝早く目が覚めたりなど、睡眠に影響を与える可能性があるため注意しましょう。
カテキン:リラックス効果が期待できる
緑茶に多く含まれていることで知られるカテキンは、紅茶にも含まれています。カテキンは睡眠の質を高める効果が期待できます。なかでも、注目したいのが抗酸化作用です。
ストレスや激しい運動などで発生する活性酸素は酸化ストレスをもたらし、睡眠をコントロールする脳にダメージを与えます。酸化ストレスはストレスホルモンであるコルチゾールを増やす原因でもあります。
カテキンの抗酸化作用によって脳に対するダメージやコルチゾールの分泌を抑えられ、睡眠の質を高めてくれるのです。
テアニン:睡眠の質向上に役立つ
お茶全般に含まれる旨み成分のテアニンは、アミノ酸の一種です。テアニンには、不安を軽減してくれるリラクゼーション効果や、脳の興奮や緊張を抑える鎮静効果があります。
興奮性の神経伝達物質であるグルタミン酸などのバランスを調整してくれるため、ストレスを和らげてリラックスした状態で眠れます。
ポリフェノール:入眠しやすくなる
人間は体内の深部体温を下げて体を休息状態にして、深い眠りにつきます。紅茶を飲むと深部体温が高くなり、体温を下げようと手足などから熱を発します。そうして徐々に深部体温が下がり、入眠しやすくなるのです。
ポリフェノールは抗酸化作用があり活性酸素から体へのダメージを防いでくれるほか、血行を促進する効果もあります。体温を上げるためには血行の促進が欠かせません。就寝前に紅茶を飲めば、ポリフェノールの作用で血流が良くなるため、寝つきやすくなります。
ホトリエノール(香り成分):ストレス軽減が期待できる
ダージリンティーのセカンドフラッシュに多く含まれる香り成分のホトリエノールには、リラックス効果があります。ホトリエノールを嗅ぐと交感神経が抑えられ、副交感神経が優位となるため、ストレスを軽減できるといわれています。
スムーズな入眠と、睡眠の質を高める効果が期待できるでしょう。
リラックス効果だけを得る!紅茶を寝る前に飲むときのポイント
紅茶にはテアニンやカテキンなど快適な睡眠に役立つ成分が入っています。しかし、飲み方や時間帯によっては睡眠を妨げるおそれもあります。では、寝る前に紅茶を飲みたいときはどのようなポイントに注意すれば良いのでしょうか。具体的なポイントを4つ紹介します。
カフェインレスの紅茶を選ぶ
眠気を覚ますカフェインの影響は、人によってさまざまです。カフェインを摂ると寝られなくなる方もいれば、一方でぐっすり寝られる方もいます。
特にカフェインの影響を強く受けやすい方は、カフェインレスの紅茶を選ぶのがおすすめです。「デカフェ紅茶」とも呼ばれ、水や二酸化炭素、エタノールによってカフェインが取り除かれています。本来の紅茶とも遜色ない香りや味わいなので、気軽に飲むことができます。
3~4時間前にホットティーを飲む
深部体温が上がってから手足から熱が発散されるようになるまでには時間がかかるため、就寝の3~4時間前にホットティーを飲むようにしましょう。温かい紅茶で深部体温を上げて、徐々に下がっていくことで眠りにつきやすくなります。
牛乳を加える
睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンは、神経伝達物質のひとつであるセロトニンを原料として生成されます。牛乳に含まれるアミノ酸のトリプトファンは、セロトニンの材料のひとつです。
牛乳を加えれば睡眠を促すメラトニンが摂取できるため、スムーズな入眠や快眠が期待できます。
レモン・はちみつを加える
レモンは疲労回復に効果のあるクエン酸が含まれています。就寝中の疲労回復をサポートし、翌日すっきりと目覚められるでしょう。
はちみつにはフェノール化合物や有機酸、ポリフェノールなど抗酸化作用のある成分が多く含まれています。活性酸素を除去してストレスを減らし、睡眠の質を高める効果が期待できます。
ただし、はちみつは非加熱のものを選びましょう。加熱処理されたはちみつには抗酸化作用がありません。はちみつの摂り過ぎもカロリーオーバーにつながるため注意が必要です。
飲むタイミングに気を付けて紅茶を楽しもう
紅茶はカフェインを含んでいるため、寝る直前に飲むと睡眠の質を下げるおそれがあります。一方で、入眠を助けるポリフェノールやリラックス効果のあるテアニンなど、快適な睡眠につながる成分も多く含んでいます。
紅茶を飲むのであれば、就寝の3~4時間前までにしましょう。睡眠の質を高める成分の効果が期待できるだけでなく、温かい紅茶で深部体温を上げることにより、眠りにつきやすくなります。
【参考URL】
紅茶は寝る前に飲むといい?紅茶のメリットやおすすめの飲み方を紹介【2023年1月】|TENTIAL
紅茶は寝る前に飲んでもいいの?リラックス効果とカフェインの関係|Lakshimi
寝る前の紅茶はどんな効果がある?【効果や飲み方を解説】|KENCOCO
お茶で快眠は得ることができる?~カフェインの上手な摂り方~|白井製茶
食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~|厚生労働省
寝る前の紅茶は快眠に効く?おすすめの茶葉や飲み方を解説|NIGHT PROTEIN
お茶に含まれるカテキンとは?種類やはたらき、摂取のポイントを解説|ロッテ
寝る前の紅茶の睡眠や身体への影響とは?おすすめのタイミングや紅茶の効果を紹介|Dilmah