KOREDAKE(コレダケ)

 

 

1食あたりに必要な31種の栄養素(厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」 / 18~49歳女性の場合)をすべて含んだ「完全栄養プロテイン」の販売を2020年3月22日にスタート。1年半以上の開発期間を経て完成させたミルクティー味のプロテインは、美味しさと栄養バランスの両立を実現。健康的でキレイなカラダづくりをサポートするウェルネスブランドとして、原材料にこだわった安心安全なプロダクト開発を追求し続けている。

 

カラダは健康。でも、心は?

―鈴木さんが代表を務めるウェルネスブランド「KOREDAKE」。立ち上げのきっかけについて教えてください。

 

鈴木:小さいころから医療従事者の家庭で育ち、父が重い病気を抱えていたこともあり、もともと健康への関心は高かったんです。いつか健康という分野で人の人生をよりよくしたいなと漠然と思っていました。

 

ぼく自身は小中高と無遅刻無欠席で、小学校時代は真冬でもTシャツ短パンで過ごしていたくらい丈夫なカラダでした(笑)。社会人になってからも、仕事詰めの生活ではありましたがとにかく健康体で。ある日、看護師でヨガインストラクターの妹に「カラダの健康だけでなく、心も健康であることが幸せにつながるんだよ」と言われ、ハッとさせられたんです。

 

―妹さんの言葉が身に染みたのはなぜなのでしょうか?

 

鈴木:心のどこかで「カラダは健康だけど、心は健康じゃないのかも……」と感じていたからかもしれません。実際、周囲からは健康に見えていなかったようで、家族や友人に「大丈夫?」とよく心配されていたんです。

 

社会人になってメンタルが弱ったと感じたこともありました。通勤電車のなかで暗い顔をしてうつむいている人や、自分の周りで気持ちに余裕がなくて他人に優しくできない人を見かけたとき、ぼくも同じような感じなのかなって思ったり。

 

そんなこともあってか、妹の言葉や彼女が実践している生き生きとしたライフスタイルは、ぼくの目にとても魅力的に映りました。いつも目を輝かせて何事にも全力で取り組んでいる彼女を見て「かっこいいな」って素直に思いました。同時に、改めて『カラダの健康だけでなく、心の健康を実現することが本当の自分らしさ(幸せ)につながるんだな』と強く感じました。

 

そうした一連の出来事によって、心身の健康の先にある幸せを実現できるような事業をつくりたいと考えるようになりました。

―ブランド立ち上げを決めてから、メンバーである内田さんや飯田さんには、すぐに声をかけたのですか?

 

鈴木:そうですね。二人の正式なジョインはもう少しあとになりますが、プロダクトの開発を進めようと決めた際にはすぐに声をかけました。内田は管理栄養士としてアスリートへの食事指導などをしてきたので、栄養やカラダづくりについて熟知している。一方の飯田は、以前からいろいろな仕事を一緒にやってきて、その能力や人柄に信頼を置いていました。当時は二人とも別の仕事を抱えていたのですが、それぞれこれからのキャリアプランを考えている時期でもあったようです。

 

そんなタイミングで、新しい挑戦をするうえで重要なのは「何をやるかではなく、誰とやるかだよ」ということを二人に話したんです。一緒に歩むメンバー次第で、険しい道でも楽しく、ポジティブに進められる。それは同時に自分らしく働けることでもあると考えていたからです。

 

―内田さんと飯田さんは、鈴木さんから話を持ちかけられた際、どのように感じたのでしょうか?

 

内田:素直にワクワクしました。とくに「カラダが健康であっても、心が満たされないと幸せにはなれない」という言葉には強く共感しましたね。私は食べることが大好きなので、美味しくてカラダに良いものを食べると心が満たされて幸せになれることを実感しています。でも、それは毎日できているわけではありません。なので、鈴木から声をかけられたときは、私自身も課題に感じていたことに対して、一緒にワクワクすることができそうだなと思いました。

内田小百合

内田小百合

飯田:鈴木の話を聞くうちに、目標に向かって同じ価値観の人たちが集まり、ひとつのものをつくり上げること自体が、私にも元気をもたらしてくれるんじゃないかなと考えるようになったんです。

 

KOREDAKEを通じてやりたいことができるようになれば、ブランドコンセプトの「わたしは、わたしらしく。」のとおり、思い描く本当の自分を目指せるのではないかなと感じました。

ヘルスケアではなく、ウェルネスブランドをつくる

―いま話に出た「わたしは、わたしらしく。」というコンセプトには、どういった想いが込められているのでしょうか?

 

鈴木:まず、ブランドのスタンスとして重要なのが、「ヘルスケアブランドではなくウェルネスブランドである」ということ。カラダの健康はもちろん、心の健康も実現したい。そのうえで大切なのが、自分らしくいること。ただ、ぼくらが実現したい「自分らしさ」は、自然体を指すbe naturalではなく、自分のありたい姿でいることを指すbe real youのほうなんです。

 

誰にでもなりたい姿はあるけれど、SNSなど情報があふれる現代だと、どうしても他者の目が気になってしまいますよね。そんな不安を取り除いて自分らしくい続けるためには、心とカラダに向き合うことが大切です。KOREDAKEは、一人ひとりに寄り添いながら、健康の先にあるウェルネスを実現できるようにサポートしたいと考えています。

 

―be real youが大切とのことですが、みなさんはそれぞれの「自分らしさ」をどのようにとらえていますか?

 

鈴木:個人的には、同じ価値観を持っているメンバーたちと、ひとつの目標に対してワクワクしたり取り組んだりしていることなのかなと思っています。だから、KOREDAKEのメンバーで楽しみながら仕事ができていることも「自分らしさ」につながっています。共感者と一緒にいることや、好きなことに没頭するといったことは、ぼくにとっての幸せといえますね。

 

内田:好きなことを純粋に楽しんでいる自分自身が「わたしらしさ」だと思っています。先ほども少し触れましたが、私は食べることが大好きで、食べているあいだは幸せを感じるのですが、食べたあとに「太るんじゃないか」といった不安や悩みも同時に抱えていました。

 

でも、1食分の栄養が摂れるKOREDAKEを飲むようにしてからは、夜だけプロテインに置き換えることで、朝と昼に美味しいものを食べても不安にならないようになって。自分のなかにあった不安を取り除くことで、真の自分らしさに向き合えるようになったと感じられるようになりました。それが明るさやポジティブさにもつながっているかなと思っています。

 

飯田:私にとっての「自分らしさ」は仕事で本音を言えていることですね。物事を考える際に職業柄、それがかっこいいのか、クールなのかといったことをよく考えています。ユーザーのことを考えながらも、「それはブランドにとってかっこいいことなのか?」と常に自問自答するんです。そこでかっこよくないと感じたら、周りとは意見が違っても、ちゃんと本音として言うようにしています。チームのみんなも正面から向き合い、真剣に考えてくれる。そういった環境にいるときに、自分らしくいることができているなと感じます。メンバーと話し合いながらプロダクトをつくりあげていく課程で感じる熱中や、楽しさも大切にしています

飯田七海

飯田七海

100個の案から即決。ブランド名に込められた想いとは?

―ブランドをKOREDAKEという名前に決めた理由を教えてください。

 

鈴木:命名するうえでの評価軸は4つ。「わたしは、わたしらしく。」というコンセプトに合っているか、完全栄養というプロダクトの特徴を捉えているか、字面・響きがキャッチーであるか、そしてユーザーに持ってもらいたいイメージを形容できているか、です。

 

ぼくらを含め、10人以上から募った100を超える案のなかで、「KOREDAKE」という名前はとにかくインパクトが強かった。4つの評価軸もすべて満たしていたので即採用しましたね。

―第一弾のプロダクトにプロテインを選んだのはなぜでしょう?

 

鈴木:理由は2つあります。ひとつは、個人的にプロテインが好きでよく飲んでいて、この魅力を世界中の人に伝えたいと思ったから。そしてふたつ目は「わたしは、わたしらしく。」というコンセプトをプロテインで体現できるのではないかと考えたからです。

 

この背景には、ネガティブになりがちだった自分のマインドがプロテインを飲むことで結果的にポジティブになったというぼく自身の経験があります。また、周囲でプロテインを飲んでいる人たちの多くが生き生きとしているという実感もありました。実際、タンパク質を構成する成分のなかには交感神経の活動を支えたり、気分を明るくしたりする作用をもつものもあります。

 

飯田:じつは最初に私がKOREDAKEを手伝おうと思ったきっかけは、プロダクトがプロテインだったからなんです。周囲の女性の友人を見ていても、プロテインを飲んでいる子が増えていて、トレンドになり始めていた。とくに筋肉をつけるためではなく、美容のために飲むといった風潮が盛り上がっているなと感じていました。私自身もプロテインに興味を持っていて何か自分に合うものがないかと探しているときに、鈴木からKOREDAKEの挑戦を聞かされ、ぜひジョインしたいと思ったんです。

 

鈴木:KOREDAKEは美容や健康を意識し、プロテインにあまりなじみがないような人たちにも手に取ってもらいたいなと思っています。栄養補給ができるタンパク質飲料であるプロテインは、年齢や性別を問わず多くの人たちが効果を実感できるという意味で、ポテンシャルが非常に高い飲み物。既存のイメージを覆すためにも、女性に刺さるようなプロテインを開発したいなと考え、女性メンバーを集めて一緒にプロダクトを開発していきました

メンバーの入社理由にもなった「美味しさ」へのこだわり

―味や原材料などについては、どのように試行錯誤を重ねていったのでしょうか?

 

鈴木:品質・衛生管理が整った日本国内の工場で製造し、安心安全には気を使っています。また原材料はとくにこだわり、ほぼすべてを植物性のものに厳選しています。植物性の原材料はカラダにとって良いのはもちろん、動物性に比べて環境負荷も低い。カラダに良い選択が地球環境にも良いという価値観は大事にしたい。健康の先にあるウェルネスや自分らしさを実現するためにも、良いことに関わっているという点には強いこだわりがあります。

 

また品質だけでなく味の美味しさも重視しています。毎日飲むものだから、品質はもちろん習慣化できるような味にもこだわっています。開発に取りかかる前に、ぼくが好きなミルクティー味のプロテインを、開発の参考としてメンバーにも飲んでもらいました。それが思いのほか不評で(苦笑)。

 

それがすごく悔しくて。だったらチームの女性全員が美味しいと思えるミルクティー味をつくろうと決めました。でも、美味しさと栄養の両立がとても難しくて、苦労しました。基本的に原材料はシンプルなほうが味づくりはしやすいんですが、プロダクトのコンセプト上、栄養バランスも譲れない。「完全栄養」には31種類の栄養が入るため、シンプルにはできなかった。そこからは数十回にわたる試行錯誤を重ね、マイクログラム単位で調整を繰り返していきました。

 

とくにプロテインの原材料の大部分を占める大豆タンパクは良質な国産のものにこだわりました。外国産含めて数え切れないほど多くの種類があるなかで、スプーンだけで溶けやすく、味の決め手にもなる国産大豆選びは徹底的に追求しました。

 

茶葉も数十種類は探し回りましたね。最終的に、「午後の紅茶」にも使われているディンブラというシングルオリジンの茶葉を選びました。原材料選びも大変でしたが、プロテインを製造してくれるOEM企業を見つけるのも難航し、延べ数百社はリサーチしました。

 

当初の開発期間は4か月の予定でしたが、1年半に伸びてしまいました。でも、最終的にはメンバー全員が納得するものに仕上がりましたし、それが結果的に飯田、内田が社員として入社するきっかけにもなったんです。

飯田:最終調整が終わったものを飲んだ際には、「飲める!美味しい!」と感動しました。他社商品のものを味比べして、唯一最後まで飲み干せたのがKOREDAKEのプロテインだったんです。

 

内田:KOREDAKEのプロテインは人工甘味料や砂糖を使っていないので甘さは控えめです。そのため一口目はやや物足りないようにも感じますが、2口、3口と飲むとどんどん美味しく感じるようになるんです。既存のプロテインは人工甘味料を使っているため、甘みが強すぎたり、舌に残るような変な甘みを感じます。KOREDAKEはカロリーゼロの天然甘味料のみで自然の甘さを引き出しているので、飲むごとに味わいを感じられます。この自然な甘さは、飲みやすくカラダにも優しいので、毎日飲むうえでも大切な要素だと思っています

行動や人生を変えるきっかけに。KOREDAKEが思い描く壮大な夢とは?

―白を基調としたパッケージのデザインも素敵ですね。どんなところにこだわりましたか?

 

鈴木:自宅のキッチンや職場などに置いても違和感のない、ファッション的な要素の強いデザインを目指しました。主に海外のプロダクトデザインやサービスが、インスピレーション源になりましたね。

 

さらに意識したのが、既存のプロテインにはない形状や質感にすること。Instagramの画角に合わせてパッケージを正方形にしたり、光沢のないマット素材を取り入れたり。独特なデザインで、パッケージをつくれる工場がなかなか見つからなくて、いろいろ探し回ってなんとか形にできました。

 

飯田:環境保全にも気を配り、ボタニカルインキという植物性のインクを使ったり、過剰包装を避けたりもしています。プロテインは日々摂取するもの。無駄なものをつくって、捨てるたびにユーザーが手間に感じたり、心が痛んだりすることがないようにしています。

鈴木:プロテインの原材料を植物性にこだわっていることにも関連しますが、ユーザーにとってKOREDAKEが少しでも環境に対して目を向けるきっかけや、丁寧な生活を送るきっかけになってくれればと思っています。

 

―最後に、今後のブランドとしての目標を教えてください。

 

鈴木:大きな目標としては、KOREDAKEをあのAppleのような、強いブランドにしていきたいと考えています。ぼくらのプロダクトを手に取ることでユーザーの行動やライフスタイル、人生がちょっとでも変わるようなウェルネスブランドに育てていくつもりです。たとえば、KOREDAKEによって、毎日笑顔で明るくいられたり、ワクワクを感じられる日常を送れたり、ネガティブなマインドが少しでもポジティブになれるようなきっかけになれたらいいですね。

 

そのための新たな一歩として、直近では新フレーバーの開発やヴィーガンプロテインの開発を行っています。また、誰でも簡単につくれるアレンジレシピなど、プロテインを料理やお菓子に取り入れる新しい楽しみ方も提案しています。もちろん、既存のプロダクトの改良も時代に合わせて続けていきます。

 

長期的には、ウェルネスという領域で、さまざまなサービスを展開していきたいと考えています。そこにいけばウェルネス系のプロダクトやサービス、人との出会い、教育など、あらゆるものが出会えるようなウェルネスタウンをつくりたい。ぼくらのミッションは心身の健康と、その先にある幸せを実現すること。そのための努力をこれからも続けていきます。

Text by 石塚振 Photo by kazuo yoshida Edit by 中川真(CINRA)

2020.11.17