AIで漢方をアップデート。藤松は”名もなき病”に寄り添う【前編】

2021.11.15
藤松は、東洋医学である漢方とAIを掛け合わせ、一人ひとりの状態に合った「食べる漢方」やケアを提案しています。創業の背景や、サービスのこだわり、漢方の未来について創業者の加藤寛隆さん、共同創業者の松田伊織さんに伺いました。
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藤松 / AI×漢方のインナーマネジメント
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藤松創業者の加藤寛隆さん

漢方とAI。二つの偶然の出会いから生まれた藤松

-伝統的な東洋医学である漢方とAIを掛け合わせた藤松は、どのような想いから生まれたのでしょうか?

 

加藤:「名前のない病気」をなくすことが藤松のゴールです。原因不明の不調や、なんとなくだるい時ってありますよね。けれど、病院に行ってすぐに治るものでもなく、何が原因かもはっきりとわからない。

どうやったら治せるのかなと悩んでいた時に、共同創業者であり東洋医学の専門家である松田と出会い、東洋医学の可能性に気づいたことが藤松をスタートしたきっかけです。

藤松 共同創業者の松田伊織さん

 

-松田さんとはどのような出会いだったのでしょうか?

 

加藤:僕自身、神経痛や過呼吸に悩んでいて、その時に鍼灸・整体をやっている松田に患者として診てもらったことがそもそもの出会いです。

東洋医学についてあまり知識はなかったのですが、施術を受けているなかで症状が緩和されていく実感があって、身をもってその可能性を体感しました。

 

-松田さんは東洋医学の専門家なのですね。

 

松田:僕はもともと鍼灸を学び、整形外科で患者さんのリハビリや鍼灸の施術をしていました。その中で、「2週間に一度の施術ではなく、日常的に取り組めるものはないか?」と考えていたところ、漢方薬の存在に気づき、漢方の本場である台湾に学びに行ったんです。帰国してからは鍼灸と漢方を併用した施術を日本で行うようになりました。

色々な悩みを持つ方を施術するのですが、慢性的な頭痛、精神的な乱れ、疲れやすいなど、病院で血液検査や精密検査を受けても原因がわからないお悩みを持つ人は多いんです。

そういった西洋医学ではまだ解明しきれていない症状を、藁にもすがる想いで治そうと東洋医学に辿り着かれるのですが、もっと早い段階で施術できていればという事例は多いんです。

けれど、東洋医学は用語や概念が難しくて、第一の選択肢にはなりづらいですよね。

 

-確かに……正直わかりにくい印象はあります。

 

松田:そうなんです。メカニズムの特定が難しかったり、知識が施術する人だけに紐づいたりしているのもそういう印象を与える原因だと思います。

けれど、本当は「こういう症状の人にはこの漢方を飲ませると、こういう結果が出る」という1500年積み重ねられた経験則としての実績はある。漢方業界はこういった課題を越えなくてはいけないと感じる中で、患者さんとして加藤と出会いました。

加藤:僕は、名前のない病気を解決したい。松田は、それにつながる可能性を持つ東洋医学が理解されにくいという課題意識を持っている……この2つの課題を解決する糸口になるのがAIだと考えました。

 

僕はもう一人の共同創業者の川﨑と長年AIとデザインの研究をしていたのですが、AIを用いれば、東洋医学の複雑なロジックや、治療法や改善事例をデータとして明らかにでき、誰もが使える新しい治療・改善方法を見つけることができるのではと。

また、川﨑がAIエンジニアでありながら、薬学研究者で西洋医学の知識も豊富にあるという類稀な人材であったことも、藤松が「漢方×AI」としての方向性を突き進んでこれた理由になっています。

 

目に見えない心身の状態を可視化する

-ちなみに、漢方が名前のない病気に対してアプローチできるのはなぜなのでしょうか?

 

加藤:まず、西洋医学の医薬品と東洋医学の医薬品の違いという観点から説明すると、症状へのアプローチの考え方のベースが異なっています。西洋医学の医薬品は、基本1つの原因に対してアプローチしていこうという考え方です。

一方、東洋医学の医薬品は、複数の原因を同時に捉えていくという考え方になります。どちらもその用途によって適材適所ですが、この東洋医学の考え方は、西洋医学では解明しきれていない領域の不調に効く可能性があるといえるわけです。

 

松田:思想の違いという観点でいくと、「病気」ではなく「病人」を診るという言葉にも表れています。その人の全体・バランスがどうなっているかを見るんです。

検査では個々の場所に異常値が見当たらないけど、バランスがおかしくなっていることがあったり。だから、生活習慣や患者さんが置かれている状況、すべての状態を見たうえで提案をしていきます。

実際、東洋医学には「不定愁訴」という言葉があるのですが、まさにこれが「名前のない病気」と同じ意味合いになってきます。昔から東洋医学は名前のない病気に対して取り組んできた歴史があるわけです。

 

-全体を捉えることで、名前のない病気に対してアプローチできるのですね。

 

加藤:そしてそのアプローチを藤松では、「インナーマネジメント」と呼んでいます。普段は見えないインナーの状態を可視化して、それに合ったケアやアクションを行っていくんです。

 

-治療ともニュアンスが違いそうです。

 

加藤:そうですね。病気に強い体づくりと心づくりだと捉えていただくのが良いかと思います。病気になることを未然に防ぐ予防的な強さと、病気になってしまっても簡単に治せる治療的な強さ。

それらを実現するためには、今まで見えている部分だけでなく、普段見過ごしがちなインナーの状態まで明らかにし、自分で自分の心身を理解して、行動にうつせるようにしようという仕組みです。

まさに、今まで解決できていない名前のない病気をなくすのだから、今まで目を向けられていなかった部分にもスポットを当てようということですね。

 

-インナーを可視化するために、AIでパーソナライズ診断をしているということですね。

 

松田:パーソナライズ診断の項目は、東洋医学で鍼灸・漢方の診断をする時の質問をほぼ網羅しています。まずは部位から精神面、内臓まであらゆるシーンの「今どう感じていますか?」を聞いています。

藤松 KAMPO POWDER

 

松田:さらに、病気に関連すること以外にも性格や趣味嗜好も聞いています。「人を診る」をまさに体現している部分ですね。

 

加藤:客観的なデータだけではなく、主観的な感覚を聞くことが重要だと思っていて。その人自身がどう感じているかといった曖昧な部分も拾うからこそ、メンタルや精神状態についても判断できようになります。それが心と体、つまりインナーから人の全体を捉えることができるインナーマネジメントにつながるわけです。

その上で、自分に合ったケアとして、私たちの食べる漢方「KAMPO POWDER」はさらに力を発揮してくれます。日常生活からインナーマネジメントに取り組みやすいように開発したもので、使いやすさや味にもこだわり尽くしました。藤松を通してインナーマネジメントを普段の生活で楽しんでいただけたら嬉しいです。

Text by 5PM 編集部

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