MEDULLA(メデュラ)

多くの生活者が抱えていた「自分に合うシャンプーが見つからない」という問題に対し、「パーソナライズヘアケア」という新たな角度からの解決策を提示。2018年5月の発売から、わずか2年で20万人を超える会員数を獲得した日本初のパーソナライズヘアケアブランド。約3万通りの組み合わせの中から、その人だけのシャンプーとリペアを処方。対面の接客とオンライン販売のバランスを重視しつつ、一人ひとりの髪の悩みに寄り添っている。

「なりたい自分」になるための、はじめの一歩を提案する

―「MEDULLA」はどうやって生まれたのでしょうか?

 

横塚:はじまりは、代表の深山(みやま)の奥さまが抱えていた、髪質への悩みからです。彼女は「自分に合うシャンプーが見つからない」と、何十種類ものシャンプーを試していたそうなんです。深山はそこで「シャンプー難民」という言葉があることを知りました。「シャンプー難民」という言葉が生まれるほど、世の中にはシャンプーが髪に合わないことで悩んでいる方がたくさんいます。ドラッグストアに行っても、ヘアケア製品は選び方がわからないくらい、たくさんありますよね。深山は奥さまとの生活の中で、消費者が求めているのは選択肢の多さじゃなくて、「ガラスの靴」のように自分にぴったりと合って、日々に魔法をかけてくれるような、たった一つのものだと気づきました。そうして、一人ひとりに向き合うパーソナライズシャンプー・MEDULLAは誕生したんです。

横塚まよ(株式会社Sparty / New Buiseness Development Director)

―自分に合うシャンプーが見つからない「シャンプー難民」。シャンプーを選ぶのって確かに難しいですよね。MEDULLAは一人ひとりの髪の悩みに、どのように寄り添っているのでしょうか?

 

横塚:MEDULLAは「スマホの中にあるサロンで、あなただけの魔法を」という想いから、日本ではじめてパーソナライズのヘアケアを展開したブランドです。お客さまとのコミュニケーションなくしてMEDULLAは成り立ちません。ユーザーの声を細やかに取り入れ、改善する。それがあってはじめて、お客さま固有の髪質が改善したり、ヘアケアを超えて香りで気分が上がるような「あなただけの魔法」、一人ひとりに合った「ガラスの靴」のようなシャンプーが実現するんです。

 

そのために、オンライン診断では9つの質問に答えていただき、3万通りの処方の中からその方お一人おひとりに合ったシャンプーをお届けしています。お客さまにお願いすることは、サイトからニックネームを入力し、簡単な質問に答えていただくだけです。

オンライン診断9つの質問画面

横塚:ただ、シャンプーを選ぶうえで重要な香りや質感は、オンラインだと伝わりづらいですよね。その点を補完するために、MEDULLAではFLOWER(ピンク)・LIGHT(白)・SUN(黄色)・HERB(紫)・OCEAN(青)という5色のテーマを設けています。たとえばSUNだと「元気・好奇心」というテーマに続いて「アクティブにいろいろなことへ挑戦しエネルギーに満ちた私に」というキャッチコピーがついてます。つまり、単純に“香り”そのものを選ぶのではなく、その瞬間の気持ちや理想の自分像などを表現できるテーマを選択していただく。

 

この選択を体験したお客さまにとっては「なりたい自分のテーマにぴったりの香りが、後からついてくる」ようなイメージになります。こうした工夫によって、オンラインだと迷いやすかったり、納得感の得づらい香り選択も、お客さまの体験としてストレスがないよう組み込んでいます

顔の見える関係がブランドを作る。「あなただけの魔法」に込められた想い

―「なりたい自分」になれるかもしれないって、想像しただけでもワクワクしますね。

 

横塚:MEDULLAを使うことでみなさんに明るい気持ちで目覚めてほしいんですよね。たとえば、朝、起きたときにベッドや枕からふわっといい香りがする、髪がまとまっていてセットしやすい。そんなちょっとした嬉しい瞬間が、あわただしく日々を過ごす中で、実はとても大切なことだと思うんです。実際にお客さまから「セットが楽にできるので、会社に行くのが楽しみになりました」とか「髪が気に入ったいい香りなので嬉しい」という声をいただくこともできて、私たちもパワーをもらえます。

 

そうそう、有楽町にあるMEDULLAの店舗や提携サロンでは、頭皮診断も行っているんですが、そこに通ってくださるお客さまからは、直接顔を合わせてご意見をうかがっているんですよ。率直なご意見もありますが、中には広告で使う言葉のヒントまでくださる方も!

 

お店で体験していただき、その後オンラインでのやり取りになっても、お客さまの声を大事に、継続的に髪の悩みに寄り添い続けることが、MEDULLAならではのパーソナライズだと思います。一人ひとりに向き合ったサービスを提供して、お客さまも私たちを信頼してご意見を届けてくださる。そういった顔の見える関係から「お客さまと一緒にブランドを作っている」ということを強く感じます

正解のない「美容」と「パーソナライズ」。だからこそ感覚を大切に

―美容商品を作ることは理屈や理論で語れないところも多いと思いますが、そんな中で「あなただけの魔法」はどのように生み出されているのでしょうか?

 

横塚:その理屈や理論で語れない部分を弊社では「きゃーっ♡するか」と表現しているんです。いわゆる“トキメキ”ですね。社内では、よく施策やクリエイティブをチェックしながら、「これって『きゃーっ♡』する?」って会話をしています。この「♡」も大事なので、しっかり入れておいてくださいね(笑)。

 

私たちがこの感覚を大事にしているのは、「色気のある時代を創ろう」というビジョンから由来しています。代表の深山はこのビジョンに強い思いを持って、MEDULLAの母体となる会社Spartyを立ちあげました。色気とは単純に人と人だけではなく、人がものと出会う瞬間に人を引き寄せる要素、魅力を引き立たせるものだと考えています。いいものがすぐ手に入る今の時代、あらゆる情報が溢れすぎているせいか、何かすてきなものと出会ったときのトキメキを、昔ほど感じないように思うんです。深山はそのときめく瞬間、その衝動のようなものを、「色気」と呼んでいて。それを会社のバリューとして、実際の業務で実現するための指針が「きゃーっ♡するか」なんです。

 

もちろん数字は確認しますが、それだけでなく感覚的な「きゃーっ♡」するかも妥協しない。これは、メンバー一人ひとりが意識していて、深山がチェックする際も、どちらも確認します。

 

美容って明確に「これが正解です」って答えがあるわけじゃないですし、だから私たちは「パーソナライズ」という手段で、お客さま一人ひとりに寄り添うべきだと考えています。美容の悩みには、単純に髪のトラブルや肌トラブルのような課題だけでなく、そこから生まれる感情といった曖昧なものも含まれます。お客さまが思わず「きゃーっ♡」と言ってしまうトキメキを作ることで、そんな理屈や理論を超えた曖昧な課題にも向き合いたいと思っています。

横塚:たとえば、過去にちょっと焦って広告を打ってしまったことがあったのですが、「これは本当にお客さまに『きゃーっ♡』と思ってもらえるようなコミュニケーションだったのか」とメンバーで話し合ったことがありました。期待値を上げるような宣伝文句をうたって、私たちがそれに応えられなかったら……? 一歩間違えれば、愛が憎しみに変わってしまうことだってありえますよね。「一人ひとりに愛されるブランドになってほしい」そう心から願うからこそ、ブランドへのイメージのギャップが生まれないような表現を、メンバー間でも常に気を配りながら進めています。

 

ロイヤルユーザーのお客さまにも「きゃーっ♡」と感じ続けてもらえるよう、定期的にお客さまをご招待したクローズドのパーティやイベントを行っているのですがいつもすごく緊張しています。というのも、もちろん日ごろの感謝を込めて精一杯おもてなしをしようと企画していますが、私にとっては結婚式をとり行うくらいの気持ちなんです(笑)。そのくらい大切な人のためのパーティ。感謝の気持ちを伝えながら、お互いの愛がさらに深まる会になるといいんですけど

すべての壁を超えていく。信じた道を突き進むMEDULLAが目指すもの

―横塚さんにとっての「きゃーっ♡」を、あえて言語化するとしたらどんなものですか?

 

横塚:私自身は、仕事でもイベントを開催したり、店舗を立ち上げたり、コラボレーション企画をしたり、新規プロジェクトを行うことが多いですし、新しいものを作ることが大好きなんです。だから、見たことがないものとか、未知の体験、新しいことへの挑戦を感じたときに、「きゃーっ♡」と思いますね。

 

でも当たり前ですが、何にときめくかは人によって違います。だからこそ、製品を手にしたお客さまが「まず箱を見て、蓋を開けて。ニックネームが入ったボトルや処方カードを手にとって、製品の手触りや香りを感じて……」というそれぞれの瞬間、それぞれの感覚で「きゃーっ♡」と思ってもらえるよう意識して、さまざまな仕掛けを考えています。たとえば、この箱には製造時にいい香りを吹きかけ、蓋を開けたときに香って感動してもらえるように工夫しているんですよ。

―一人ひとりに寄り添うMEDULLAが、今後担っていきたいこと、想像している未来はどんなものですか?

 

横塚:最近はよく「ダイバーシティ」とか「サステナブル」といったキーワードを耳にしますよね。私たちはそういう時代性や意義は、あえて意識しないようにしていて。自分たちがいいと思うサービスを、自分たちが大切にする価値観の軸で追及していたら、結果的に時代にもつながっていた、ということだと思っています。

 

これからもパーソナライズにオンラインとリアルの体験を掛け合わせることを追求していきます。その結果、多くの人に私たちの商品やサービスを通じて、ものとの出会いに色気を感じてもらえる体験を届けていけると嬉しいです。ゆくゆくは私たちが作るMEDULLA以外のブランドを見ても、「これってMEDULLAっぽいね」「Spartyっぽいよね」って、「きゃーっ♡」と感じてもらうことが、何も言葉にしなくても作れたらいいなと思っています。

―そうやってSpartyらしさを多くの人に浸透させていくために、考えていることはありますか?

 

横塚:今はクリエイティブも国内に向けていますが、将来的にはどんな国でもどんな言語でも、年齢も問わずどんな性を持つ方にでも愛される製品を作っていきたいです。個人的に目の前のことで言うと、今のMEDULLAの「自分らしく生きる女性を応援する」というキャッチコピー。このコピーも変わっていくかもしれないと思っています。そもそも「ヘアケア商品=女性向け」じゃなくてもいいわけですし、これからはジェンダーに関係なく、「自分らしく生きること」が当たり前の世の中です。そんな、すべての壁を超えて伝わるブランドやサービスを作っていきたいですね。

 

Text by 山本梓 Photo:加藤甫 Edit by 横田大(Camp)、須藤翔(Camp)

2020.11.22