”世界のベーシック”を目指す。BULK HOMME最上級のこだわり

2020.11.13
BULK HOMMEは、”ベーシック”を掲げてメンズスキンケアをリードしているブランドです。プロダクトに込められた想いや今後の展望など、ブランドの深淵に迫るべく早見 崚さんにお話を伺いました。

「1カテゴリー、1アイテム」、そのこだわりが「Wow」を生み出す

──「メンズスキンケアのベーシックであり続ける」をブランドミッションに掲げているBULK HOMMEにとって、「ベーシック」とはどのようなものでしょうか。

 

早見:ベーシックとは「王道」「最初に選ぶもの」、そして「選ばれ続けるもの」なのかなと思います。たとえばスニーカーでいうと、NIKEのエアフォース1やadidasのスタンスミスのような。僕自身エアフォース1が大好きで、何足も買い替えながら履き続けているのですが、エアフォース1にはきっと世界中にそんなファンがいる。BULK HOMMEもそんなふうに「世界中の方々から愛される大定番」になってほしい。そう常々思っていますね。

早見 崚

 

早見:それから、代表の野口がよくたとえるのはRed Bullですね。実は語感もちょっと意識しているらしいんですけど(笑)

Red Bullって、スタンダードなものとシュガーフリーくらいのラインナップで、世界中で同じパッケージ、同じフォルムで展開し、どの国でも「エナジードリンクといえば」という認知を得ているかと思うのですが、野口はそれに感銘を受けて、ブランド立ち上げ当初「世界No.1になるまで、1ブランド戦略でいく」ということを決めたそうなんです。そういった「世界の大定番」のブランドになることを目指しています。

 

──「THE FACE WASH」「THE SHAMPOO」などすべての製品に「THE」とつけているのも、やはりそういった想いの表れでしょうか。

 

早見:そうですね。今もBULK HOMMEでは極力ラインナップを絞り込んで「1カテゴリー、1アイテム」ということを守っているのですが、「これこそがBULK HOMMEが提案する最上級の製品です」「すべての男性に自信を持って使っていただける、カテゴリーを代表するアイテムです」そういった想いを込めて、すべての商品に「THE」を冠した名前をつけています。

 

──製品開発においても、そういったこだわりから大切にされている考え方はありますか?

 

早見:はじめて製品を使っていただいたときの「驚き」を大事にしています。これを私たちは「Wowファクター」と呼んでいます。たとえば弊社の洗顔料。実際にお客さまに製品の感想をうかがうと「とにかく泡が濃厚でびっくりした」「泡立てるのが楽しくて毎朝使っている」といった答えをいただくことが多いんです。そういった使用感のほかにも、デザインであったり、エビデンスの部分であったり。

製品開発ではそういった3つのカテゴリーを軸に「驚き」や「意外性」を盛り込むことを意識していますね。

 

──「Wowファクター」をつくりだすために、どのようなこだわりが隠されているのかお聞きしたいです。たとえば、BULK HOMMEの製品には共通の美容成分が含まれていると伺いましたが、これはどのようなものなのでしょうか?

 

早見:私たちは、先ほどの「使用感」のような感覚的な印象(センス)に、しっかりとした科学的根拠(エビデンス)を載せる「センス&エビデンス」というポリシーを大切にしています。

たとえば成分のひとつ「奇跡のリンゴ」と呼ばれるウトビラー・スパトラウバーは、「4ヶ月間腐らない生命力がある」と言われていて。研究によれば、このリンゴはほかのものよりも幹細胞が圧倒的に多く、ターンオーバー(代謝)を促進するため、ということなんです。その幹細胞の培養物から得られる「リンゴ果実培養細胞エキス」には、ストレスや睡眠不足で弱った肌を活性化させ、保湿力を高める効果があるんです。実際に食べるとものすごく酸っぱいらしいのですが(笑)

 

早見:また「玉造温泉の温泉水」は天然の化粧水とも言われ、『古事記』にも登場するほど歴史の深い日本最古の美肌の湯です。毛穴の奥まで届くような浸透性と、とてもさっぱりとした使い心地に、思わず「Wow」と驚いていただけると思いますよ!

 

── こだわり抜いた製品だからこそ、「THE」を冠せられるんですね。ちなみに特に開発に苦心されたプロダクトなどはありますか?

 

早見:ヘアケアラインです。今では国際的にも高い評価をいただいていて、BULK HOMMEを代表する製品になったシャンプー、トリートメント、スキャルプセラムというヘアケアラインですが、この開発にはたいへんな苦労がありました。

「そもそも『Wow』を感じるシャンプーとはいったいどういうものか」「お客さまはヘアケア製品のどういった点に、品質の良さや心地良さを感じているのか」といった根幹の部分から、さまざまなテーマでブレストを重ね、数十種類もの試作を行って、5年かけてようやく納得のいくものが完成したんです。たとえば、シャンプーはゲル状になっており、洗髪するときにマッサージ効果といいますか、とてもリッチな「とろみ」を感じていただけると思います。

そういったお客さまの体験一つひとつを吟味して、製品づくりを行っていったんです。それは時間もかかりますよね(笑)

 

 

──ちなみに、成分以外に共通しているものはありますか?

 

早見:はい。香りに関しては全ラインナップで共通したもの使用しています。従来のメンズコスメには大きく分けて、メントール系の清涼感のある香りか、ムスク系の色気を感じさせる香り、という2種類しかありませんでした。

でもBULK HOMMEの製品は、どれもフローラル系のジェンダーレスな香りとなっています。これはベーシックを追求した結果であり、新しい価値観や文化を創っていく我々のような新しい世代のブランドにとって、アイデンティティのひとつといえるかもしれません。

実際、メンズ製品を謳っていますが、妻もとても気に入っていて夫婦で愛用しています。女性だと髪の長い方も多いと思うんですが、それほど量を使わずともよく泡立つのが良いのと、やっぱり「香りが好き」ということはよく言っていますね。シャンプー自体に保湿機能があるのもポイントですね。

 

──ちなみに早見さんオススメの「隠れた名品」というと、どの製品になりますか?

 

早見:そうですねえ。BULK HOMMEには「隠れた名品」が多いんですよ(笑)

そのひとつが「泡だてネット」です。泡だてネットというと百円ショップなどでも手軽に手に入りますが、こちらはまず大きさが倍近くあって男性でも使いやすいですし、何よりきめ細やかな網目によって泡立ちがひと味もふた味も違うんです。雑誌で紹介されるときにも、洗顔料は他社製品で弊社からネットだけ提供する、なんてパターンもあるくらいなんですよ。

 

「パッケージより中身」理想を探求したどり着いたサステイナブルな製品づくり

──BULK HOMMEは、シンプルで洗練されたパッケージデザインも、象徴的ですよね。

 

早見:コスメをつくるOEM(受託製造)業界では、容器に入れるクリームや液体のことを「バルク」と呼んでいます。その言葉を冠したブランド名には、「我々にとっては容器より中身が重要である」というメッセージが込められていて。そういう想いから、パッケージはできるだけシンプルなものを採用しているんです。

……というのは、表向きの謳い文句でして。すこし裏話をすると、製品開発の段階で「とにかくいいものをつくる」「最高のコスメを生み出す」ことを追求するあまり、気付けばパッケージにまで予算が回らなくなってしまったらしいんです(笑)

そこを逆手にとって、パッケージデザインでは中身の見えやすい半透明の容器を使用することになった、というわけなんですね。

 

──そんな裏事情があったんですね(笑)

 

早見:はい(笑)

もうひとつクリエイティブに関して付け加えますと、8年前このパッケージデザインを採用した当時は、とにかく過剰包装のコスメが主流でした。でも「世界のベーシック」を目指す野口たちには、そのころから何となく「もうそういう時代じゃないよね?」という思いがあったらしく。周りは気にせず、あえてチープなパッケージを使ったところが、我々のロック魂といいますか。

そのころはまだ「サステイナブル」という言葉は浸透していなかったですし、別に今も全面に出しているわけではないですが、自然とそういった製品づくりを行っていたんですね。デザインも3代目となる今では、シンプルで洗練された無駄のないデザインが、男性のお客さまからはもちろん、性別を問わずミニマルな趣向や生活を好む方から好評いただいています。

 

──そういったBULK HOMMEをお使いのお客さまは、どういった意識や価値観をお持ちの方が多いと思われますか?

 

早見:やはり自分に対してしっかり投資をされる、美意識の高いお客さまが多い印象です。そういったお客さまからは「むしろコストパフォーマンスがいい」といった評価もいただいていますね。

また、コロナの影響で在宅の方が多くなったこともあるかもしれませんが、テレワークで自分の顔が映る機会が増えてきている中、全体的に美容意識が高まってきていると感じます。実際に、定期購入されるユーザーさまも増えているんですよ。

 

セレクトの基準となる存在に。「世界のベーシック」へかける想い

──早見さんがBULK HOMMEで働くモチベーションはどこにあるのでしょうか。

 

早見:まずは、純粋にBULK HOMMEのプロダクトが好きだ、ということ。それから野口の「世界のベーシックを目指す」というマインドです。野口とは7~8年前に飲み友達として知り合ったのですが、彼はそのころからずっと同じ夢を語り続けている。シンプルにその強い信念に惹かれますし、「この人がこの先つくっていく景色を見たい」という思いにつながっていきました。

それにBULK HOMMEには、それぞれバックボーンは違えど同じような信念を持った社員が多いんです。それゆえ仲も良いし、違うからこそお互いに支え合える。そんな仲間たちとBULK HOMMEが「世界のベーシック」になるところを見てみたい。それがいちばんのモチベーションですかね。

 

──今後、BULK HOMMEはどんな存在になっていきたいですか?

 

早見:繰り返しになってしまいますが、ブランドのタグライン「ザ・ベーシック・メンズ・スキンケア」が示すように、世界中すべての男性にとっての「ベーシック」になりたい。極端なことを言えば、BULK HOMMEを一度手にしたお客さまが、その後いろんな化粧品や美容法を探して、最終的にBULK HOMME以外の製品をセレクトしたとしても、「コスメカルチャーの育成」という観点では大歓迎なんです。

ただ、そのリファレンスとしてBULK HOMMEは、「起点」となる存在でありたい。選択肢の基準になる存在といいますか、迷ったときには「間違いのないBULK HOMME」でいたいんです。それこそが「定番のブランド」ということなのではないかと思っています。

 

──「世界のベーシック」になるために、どのようなことに取り組まれていきますか?

 

早見:2017年ごろから台湾を皮切りにアジア各国から、フランスやイギリスなどヨーロッパでの展開も着実に進めています。たとえば、フランス代表のサッカー選手キリアン・エムバペ氏をグローバルアンバサダーとして起用したり。エムバペ選手はさまざまな国にルーツがあり、次のカルチャーを担う若手のエースです。スキンケアへの意識という意味では、アジアに比べヨーロッパはまだまだ伸びしろがあるので、そういった方にスキンケアの大切さを啓蒙していただけるのは、とても心強いですね。

お客さまとの関係をつくっていく前段として、啓蒙活動を行っていくのはなかなかたいへんなことですが、一歩ずつ着実に足場を固めていき、まずは代表である野口をはじめBULK HOMMEのメンバー全員が目指す「世界のベーシック」を。そしてひいては「グローバルNo.1ブランド」を実現していきたいですね。

Text by 黒田隆憲

Photo by 加藤甫

Edit by 横田大(Camp)、須藤翔(Camp)

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