もくじ

1.シルクフードとは?

2.シルクフードの食品としてのメリット

3.現在販売されているシルクフード

4.実験店舗では、おいしいと評判!

5.シルクフード以外にもサステナブルフードはさまざま

6.おいしくシルクフードを食べることは、地球の未来を考えるきっかけにも

シルクフードとは?

シルクフードは蚕を原料に使用した新しい食品です。たんぱく質を豊富に含んでおり、既存の食材よりも生産効率が高いことから、世界中で懸念されているたんぱく質不足の解決策のひとつとして期待されています。

蚕は栄養面や飼育のしやすさに優れており、食品として欠かせない味・風味もよいのが魅力です。実は、日本や東南アジアなどの一部地域で昔から食べられてきたという歴史もあります。

シルクフードは加工されていて虫の形が残っていないので、昆虫食に抵抗がある方でも挑戦しやすい食品といえるでしょう。

シルクフードの食品としてのメリット

上でも少し紹介しましたが、シルクフードにはさまざまなメリットがあります。たんぱく質をはじめとした高い栄養価や食べやすい味・風味、生産における地球環境へのやさしさなど、身体にも地球にもうれしい魅力がたっぷりです。

ほかの食材と比べてどんな点が優れているのか、なぜサステナブルな食品といわれているのか、詳しく紹介していきます。

 

豊富な栄養素を補給できる

近年、世界規模で懸念される「たんぱく質危機」のなかで期待されているのが、たんぱく質価が高く、生産効率の良い昆虫食です。

シルクフードの原料となる蚕は、たんぱく質を中心に、アミノ酸・脂肪酸・ビタミン・ミネラル・亜鉛など、人間にとって大切な栄養素が62種類も含まれています。野菜や魚、肉に引けを取らない栄養価の高さは、シルクフードの何よりの魅力といえるでしょう。

蚕由来のたんぱく質は「かいこプロテイン」と呼ばれます。かいこプロテインは野菜によく含まれる植物性たんぱく質に比べ、必須アミノ酸を豊富に含んでいるのが特徴です。質の高いたんぱく質を摂れるシルクフードが、世界のたんぱく質危機を救うかもしれません。

 

昆虫感がほとんどなく、うまみ成分たっぷりでおいしい

昆虫食をイメージしたとき、癖のある味や食感を想像し、抵抗を感じる方も多いのではないでしょうか。蚕は、昆虫食のなかでも食べやすいのが特徴です。

うまみ成分として知られているグルタミン酸・イノシン酸・グアニル酸が含まれており、落花生やナッツのような香ばしい風味が広がります。見た目も蚕の形がわからないようなパウダーやペースト状なので、形状や食感も気にならずに食べられるでしょう。おいしさを感じながら豊富な栄養を摂れるのはうれしいですよね。

 

地球にもやさしい

昆虫食は、牛や豚を食べるよりも地球環境にやさしいといわれています。ポイントは、飼育の際にかかるコストと生産効率です。蚕が牛や豚よりも優れている点は以下の5つです。

 ●エサの量が少なく済む(摂取量:1/5)

 ●水を飲まない

 ●成長が早い

 ●温室効果ガスの排出が少ない(排出量:1/100)

 ●省スペースで飼育できる

このように牛・豚の代わりに蚕を食べることで、結果的に地球温暖化対策に貢献できるのです。また、蚕はほかの昆虫と比べても成長が早く、1ヶ月程度で収穫できるうえ、植物の葉だけで育てられるという利点があります。

 

現在販売されているシルクフード

では、実際にどのようなシルクフードが販売されているのかを見ていきましょう。今回は、オンラインで購入できるシルクフードの商品を4種類紹介します。どれも蚕の形はわからず味もおいしいので、サステナブルなものに興味がある方だけでなく、昆虫食に抵抗がある方も挑戦してみてはいかがでしょうか。

シルクホワイトチョコレート

シルクホワイトチョコレート

繭のようなころんとした形がかわいい「シルクホワイトチョコレート」は、蚕パウダーを練り込んだ、なめらかで口溶けの良い味わいです。パッケージには紙製のバリア素材を採用しており、中身同様地球にやさしいのがポイントです。

国産米と蚕の旨かるチップス

国産米と蚕の旨かるチップス

「国産米と蚕の旨かるチップス」は、蚕パウダーに国産うるち米を合わせた無添加・グルテンフリーのヘルシーな商品です。原材料はわずか4種類で、蚕の持つ旨味・香ばしさと国産米のおいしさを存分に味わえます。

パッケージは植物由来の原材料を約20%含んだバイオマスフィルムを使用しており、石油由来のフィルムに比べてCO2排出量を約10%削減しました。「からだにやさしく、地球にやさしく、それにちゃんと味がいい」という、「SILKFOOD」のコンセプトをまさに体現した商品といえるでしょう。

チャック付きで保存しやすいので、ちょっと小腹が空いたときの栄養補給にもぴったりです。

チップス

チップス

「SILKFOOD チップス」は、シルクフードと山形県の米菓会社・酒田米菓が共同開発した無添加・ノンフライ・グルテンフリーのチップスで、パリッとした食感が特徴です。

「国産米と蚕の旨かるチップス」同様、原材料はわずか4種類とシンプルです。蚕特有の香ばしい風味を活かしながら、お米との掛け算でお互いの良さを引き立てた味わいに仕上がっています。

こちらのパッケージも地球にやさしいバイオマスフィルムを採用しており、保存に便利なチャックがついています。

かいこプロテインスムージー

かいこプロテインスムージー

「かいこプロテインスムージー」は、シルクフードと大正製薬株式会社の共同研究から誕生しました。必須アミノ酸を豊富に含んだかいこプロテインの強みを活かした商品で、蚕をペースト状にして練り込んでいます。

フレーバーは青野菜をメインとした「グリーン」と、青森産りんごやぶどうをふんだんに使った「フルーツ」の2種類です。1本につきたんぱく質5gと、1食分の野菜・フルーツを摂取できます。

栄養価が高いので、忙しい日の朝食代わりや、運動後の1本にぴったりです。冷やして飲むと、よりおいしく楽しめますよ。かさばりにくいパウチ型の容器に入っており、持ち歩きにも便利です。

実験店舗では、おいしいと評判!

シルクフードを手掛ける株式会社エリーは、多くの方にシルクフードを体験してもらいたいという思いから、2020年1月~5月の期間限定で表参道に実験店舗「シルクフードラボ」を出店しました。

シルクフードラボでは、パテに蚕を練り込んだシルクバーガーをはじめ、シルクスープ・シルクスナック・シルクシフォンケーキなど、シルクフードを使ったメニューを多数提供しました。昆虫食に馴染みのない人が多いなか、来店した約90%の人がシルクフードを「おいしい」と評価しており、その好評ぶりがわかります。

シルクフード以外にもサステナブルフードはさまざま

シルクフードをはじめとしたサステナブルフードは、コオロギ・バッタなどの昆虫食や、代替肉として注目されている大豆ミートなど、現在さまざまな商品が開発・販売されています。

サステナブルフードは栄養価が高いだけでなく、動物の肉に比べて脂質が少なくヘルシーなことから、ダイエット時の置き換えメニューとしてもおすすめです。

シルクフードを実際に食べてみて、食べやすさやおいしさに気付いた方や、昆虫食への抵抗が薄れた方は、ほかのサステナブルフードもぜひ試してみてくださいね。

おいしくシルクフードを食べることは、地球の未来を考えるきっかけにも

シルクフードは身体と地球環境のどちらにもやさしい、次世代のたんぱく質食品です。サステナブルフードであるシルクフードを食べることは、私たちが抱える環境問題や食糧不足問題に目を向ける機会にもなるでしょう。

蚕は、飼育時の温室効果ガスの排出を抑えられる、地球にやさしい食材です。世界的に懸念されているたんぱく質不足を解消する一助になるほか、SDGsの目標のひとつ、「飢餓をゼロに」への取り組みにも関わってきます。

皆さんもシルクフードをきっかけに、自分の健康な身体のため、地球のため、食の未来のために、今できることから始めてみませんか?

 

【参考URL】

​蚕でつくる、食の新時代。

シルクフードとサステナビリティ【令和4年度第1回稲武KAIKO学】梶栗隆弘様(エリー株式会社)講演と堤幸彦監督パネルディスカッション

『SILKFOOD(シルクフード)』とは

どんな味なの? 次世代食品「シルクフード」の販売店が表参道に登場。

昆虫食、シルクフード(蚕)を食べてきました。

サステナブルフードの定義とは?種類や企業の取り組み事例を紹介