東京に来た。

 

2年間今の業界から離れて働いていたが、
やっぱり東京での夢を諦めきれなかった。

 

未練を断ち切れなかった私は、
固い決意と夢を持って、東京に行く決心をした。

 

私には、東京で叶えたい夢があった。

 

大好きなお洋服に関わる物作りに関するお仕事。
大切にしている生活に関する発信。

 

初めて過ごした夢の東京は、私の夢を、夢で終わらせず、
背中を押してくれる場所だった。
 

線路

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東京に来て、
丁寧に暮らすことを心がけた。

 

暮らしを丁寧にしていると、
自分を律しているような、そんな気分になれた。

 

朝はベッドメイキングから始める。

すぐに窓を開ける。

 

そんな簡単なことなのに、1日を気持ちよく始めることができた。

なんだか「今日もここで生きていいんだ。」そんなことさえ思える日もあった。

 

朝の空気を吸って、朝ごはんの支度をする。

小さい頃から、必ず朝ごはんを食べてからでないと身体が回復しない。

 

いつしか、当たり前のように食べていた朝ごはんが、1日の楽しみになりつつあった。

そう思えるようになったのは、間違いなくYouTubeでの生活の発信を始めてからだ。

 

自分の1日のルーティンを楽しみにしてくれている人がいる。

私の朝のルーティンで、「自分も頑張ろう」と思ってくれる人がいる。

そう思えると、憂鬱な朝も、丁寧に生きることができた。

 

「明日は何を食べよう」そう考えて感慨に耽る夜も楽しかった。

夜は、好きなものを食べて、お風呂に浸かって、お香を焚き、映画を観ながら眠りにつく。

 

楽しみを自分で見つける1日の始まりが好きで、
ゆっくりと浸れる1日の終わりが好きだった。
 

駅のホーム

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田舎で育った私は、お洒落に疎かった。

お洒落とは程遠かった私は、学生の頃に京都で過ごしたことがきっかけで服が大好きになった。

 

「これが似合う」と教えてくれる友達。

お洋服の買い物に連れていってくれる友達。

そんな周りのおかげで、いつしか私はお洋服の虜になっていた。

 

お洋服は、私に自信を与えてくれた。

 

大学に行きたくない日も、朝起きたくない日も。

新調したお洋服やお気に入りのお洋服を纏うと、パッと明るい日になった。

 

そんな自信をくれるお洋服を発信し始めたのは、大学2年の頃。

 

勉強やアルバイト、サークルにも慣れ、
お気に入りのお洋服たちを、ふと、載せてみたのがきっかけだった。

 

私の選ぶもの、纏うものを楽しみにしてくれている人がいる。

それがいつしか私の生活の糧になっていた。

 

自分の好きなものを共有できる喜びや楽しさが、そこにはあった。

 

どんなコーディネートを組むと、スタイルがよく見えるのか。

どんな服を合わせると、より可愛いコーディネートが組めるのか。

このアイテムは、自分の持っているどの服に合うのか。

 

お洋服にまるで興味のなかった数年前の私には、

考えられないような明るさをくれたのがお洋服だ。

 

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東京に来て、夢のひとつだったブランドを立ち上げた。

 

「1枚で可愛く着こなせるスウェットを作りたい。」

そんな学生の頃には考えられなかった夢が、東京で叶った。

 

いろんなお洋服を着てきたが、やっぱり、1枚で可愛いスウェットに心が惹かれる。

私は、スウェットブランドを立ち上げることを決めた。

 

着ている人に、自分だけの色をつけてほしい。

自分だけのコーディネートで楽しんでほしい。

そんな想いを込めて、「M U C U」(=無垢)と名前を付けた。

 

親しまれやすいこの名前は、私にとって愛しい宝物になった。

 

駆け出しのブランドだが、もっともっと大きくなるように愛を込めていきたいとさえ思う。

 

いつかの私のように、
お洋服を纏うことの楽しさを感じてもらえるようなブランドになってほしい。

 

誰かのきっかけになれるような、そんなスウェットが作れたら本望だ。
 

ツバキ

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東京にいると、ちょっとだけ駆け足で進もうとしてしまう時がある。

 

そんな時に、一緒に助走してくれる人、一息ついて水を与えてくれる人。

ほっとひと息ついていいんだよと教えてくれるモノ。

そんな人やモノに溢れている。

 

もっとゆっくり、歩いていい。

これからも丁寧に暮らしていきたい。

 

東京が、好きだ。

 

ビルと紅葉した木

プロフィール

yokopi

カメラを持つ女性

主にインフルエンサー・デザイナー・SNSプランナー・音楽キュレーターとして活動中。

その他、スウェットブランド「MUCU」ではブランドディレクターを務めている。

YouTube「 yokopi log - よこぴの日常。- 」では暮らしをテーマとしたVlogを発信し、

10代後半~20代前半を中心に、女性ファンにより多くの共感を得ている。

自身のInstagramでは、美容・ファッション・音楽などさまざまな分野をテーマに発信し、

JROCKLISTという音楽メディアでもキュレーターとして活躍中!

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