緑とともに、「自分らしい暮らし」を創る&Green【後編】

2022.08.25
&Greenは、ライフスタイルや性格を答えていくFind My Greenを通じて、初心者でも手軽に「緑のある生活」を味わえます。観葉植物マニアでない方が緑を楽しめるサービスは、どんな経緯で生まれたのでしょうか。創業メンバーの尾山 翠さんには、自身が観葉植物ビギナーだったからこその想いがありました。
ブランド
アンドグリーン / 土を使わない観葉植物ブランド
ブランドが大切にしている想い
当たり前を超えて
Art&Culture
地球と暮らす
Sustainability

緑への憧れが、&Greenを生んだ

―緑を家に置くだけなら、観葉植物以外にもアプローチがある気がするのですが、どんな経緯で今のかたちになったのでしょうか。

 

尾山:実は私たちは、&Greenの展開以前から花や野菜の苗を扱っているのですが、苗をお求めになる方は、ガーデニングを楽しめるようなお庭をお持ちの方です。すると、所得が安定した高年齢層の方かつ郊外に広い土地を持たれている方がメインユーザーになります。

でも、植物を通じて人に潤い・感動を与えたいと思ったとき、もっと広い層のお客さまに貢献したいと思ったんですよね。

 

―その背景には、やはり植物に対する強い思い入れがあったんですか?

 

尾山:あ、いえ! ……実は、そういうわけでもないんです。ただ、&Greenが原案段階だったとき、入社してから一人暮らしで、部屋に植物のひとつでも欲しいけれど、置く場所もないし、うまく育てる自信もないし、何なら土を家に入れることに抵抗がある……でも心のどこかで「緑のある暮らし」への憧れがある自分と、お客さまが重なったんです。

私のような思いをしている人って、案外多いんじゃないかなって。

 

―植物にもいろいろあると思うのですが、「観葉植物」に着目したのはどういった経緯なのでしょうか。

 

尾山:届けたいターゲット像を考えたときに、観葉植物にしよう、ということになりました。観葉植物なら、お庭がなくても、お部屋の中でインテリアとして楽しめますから、私たちの世代やさらに若い方にも気軽に楽しんでいただけるな、と。

また、「おしゃれな部屋って必ず観葉植物があるよね」みたいなイメージもあって、私自身も欲しいと思っていました。実際、観葉植物について真剣に考えたり、身近なところに置いたりしてみると、自然物だからかどんな部屋にもマッチして、しかも生命力を感じて気分が上がったんですよね。

それに、コロナ禍でテレワークが増えて家にいる時間が長くなると、部屋の環境を変えたくなってくるんです。今までは、断捨離をしてはインテリアを買ってみたり、でもしばらくして飽きて……を繰り返していたのですが、観葉植物ってその子自体が変化するから満足できるんですよね。これに気づいたあたりから、観葉植物への思い入れは強くなった気がしています。

 

―私の身の周りでも、コロナ禍で「家に緑が欲しい!」と言う人、かなり増えた気がします。

 

尾山:おうち時間の楽しみ方って、音楽聴いたり、本を読んだり、ゲームしたり、料理したり、様々だと思います。でも、どの楽しみ方でもそばに植物があるのって違和感がないんですよね。意地悪な言い方をすると「あってもなくても生活は成り立つもの」ですが、同時に「”きれい”とか”癒される”とか誰もが心地よく感じるもの」であるのも、植物の特徴ですだから、生活の質を高めようとしたときにパッと浮かぶんじゃないかなと思います。
 

 

尾山:それに、植物って知れば知るほど楽しさ・面白さが増していって、それが無限に続いていくんですよね。変わった形の葉を持つ植物に会うと「これならあのグリーンと並べるとかわいらしいかもしれない」、全体的にしだれた植物に会うと「ハンギングするにはぴったりだな」とか。第一印象が良くなかった植物が他の子と並ぶと「いいじゃん」と思えてくることも珍しくありませんし、もう人と一緒ですよね(笑)

 

―コロナ禍で植物を家に置きたくなった人が増えたという話がありましたが、社会がある程度落ち着いたとき、私たちと植物ってどんな関係になっていくのでしょうか。

 

尾山:身を置く「環境」が変わっても、植物への憧れやいいなと思う「感情」って変わらないと思うんです。森林浴やキャンプといったアウトドアで植物と接することが増えても、緑と暮らす喜びを一度知った人や、&Greenの植物と過ごして「お世話ってこんなに簡単なんだ!」「ある程度家を空けても平気なんだな」と体感した人なら、身近に緑と暮らすことは当たり前になるのではないでしょうか。
 

 

一人ひとりの「ココチいい」暮らし

―「&Greenが環境問題について考えるきっかけになる」と仰っていましたが、&Greenの観葉植物は環境にいい影響をもたらしたりするのでしょうか?

 

尾山:「水資源を無駄にしない」という観点で言うと、サステナブルな社会に貢献しています。というのも、土ではなくパフカルで育てる場合、水の使用量がかなり抑えられるんです。

 

 

尾山:まず生産段階で言うと、土だと一度あげた水は使い捨てになってしまいますが、パフカルなら流水に浸っていればいいので、水を捨てずにある程度循環させて使用することができます。また、自宅での水やりも土+植木鉢だと「底穴から水が溢れてくるまで」が目安とされているので、その分がどうしても無駄になってしまいます。

しかし、&Greenはパフカルの半分くらいの水位まで水を注ぎ、完全になくなったらまた注げばいいだけなので、使用量を最小限にできます。生産段階から家でのお世話まで、トータルで使う水は従来のおよそ半分以下になります。

 

―半分以下ですか。かなり水を節約できるんですね。

 

尾山:また、水環境を守るご活動をされている先様に売り上げの一部を寄付しています。コンテンツを通じた取り組みの発信と根は同じなのですが、サステナブルな社会づくりって&Greenだけが取り組んでも意味はないと思っているんですよ。

サステナビリティ実現への意思・輪を広げていくことで大きなインパクトが生まれますから、ブランドや商品を通して環境問題について興味を持つ人を増やしたり、同じ課題感を持つ団体に貢献したりすることが大事だと考えています。
 

 

―興味を持つ人が実際に行動に移すところまでのサポートなどもあるのでしょうか?

 

尾山:他の観葉植物でなく&Greenの植物をお求めいただくこと自体が、サステナビリティへの貢献にはなります。ただ、これは極論になってしまうのですが、「興味を持つ」「知る」だけでも価値があると思うんですよね。
知ってすぐに活動を始めたり、団体に参加したりする人は、言ってしまえば一部の人です。

一人ひとり置かれている状況も違いますから、誰もが具体的なアクションを起こせるわけではありません。それを変に強いるのは、むしろ押しつけがましくなってしまいます。

たとえ生活自体に大きな変化がないように見えても、「知らなかったことを知る」って人生に深みが出てくると思うんです。世の中の見え方が少しだけ変わることの積み重ねが、いつかその方の人生を変える……気長かもしれませんが、私はこれが一番お客さまにとって心地よい、自然な体験だと考えています。

 

―その人の人生を外側から変えるというより、あくまで自然に変わることを支える、みたいなイメージでしょうか。

 

尾山:そうですね……私たちが実現したいのは、ブランドコンセプトにもある「ココチいい暮らし」ですね。「ココチいい」というと漠然と聞こえるかもしれませんが、自分にフィットする・自分らしいというニュアンスですね。
 

創業メンバーの尾山 翠さん

 

尾山:当然と言えば当然ですが、自分に合うものや暮らしって一人ひとり違うじゃないですか。「この商品だけを買ってください」「こんな暮らしにしましょう」だと、多様な人生に対応するのが難しくなってしまいます。だから、「自分に合ったものを発見できる場」の提供こそが、私たちの目指す世界につながると思っています。

「この植物は好きだけど鉢が好みじゃない」となってしまうのは残念なことですし、逆に「この暮らし方、こんな想いが自分に合ってる!」と感じて&Greenとつながってくれれば嬉しいです。

 

―尾山さんの思う「&Greenのグリーンと共に過ごす理想のライフスタイル」はどのようなものなのでしょうか。

 

尾山:管理が簡単だったり、寄せ植えや器の入れ替えといったアレンジが自由にできたりするので、自分だけの組み合わせや飾り方を楽しんでもらいたいですね。

ショッピング中にインテリアや器を見て「家の観葉植物に合うかも!」と自然に思っていた、なんてシチュエーションが理想ですね。鉢にしかいれられない植物だと、鉢を見かける機会が少ない以上こんなシーンはないと思うのですが、&Greenはどんな器でもいいので、共に暮らす植物を連想するきっかけがどこにでも転がっています。

またもし良いと思ってもらえたなら、ギフトとしても使っていただきたいです。お花よりも気取らず、土の植物よりも気負わず贈ったり受け取ったりできるのが&Greenです。

 

―「植物」以外の領域とのコラボレーションなども考えられているのでしょうか。

 

尾山:そうですね。土を使わないこともあり、今までの観葉植物ブランドだと難しかった飲食シーン・食器との共演もしやすいので、どんな領域の企業さんや個人の方でも、サステナビリティや実現したい世界への想いが同じなら、植物と直接の接点がなくてもタイアップしたいと考えています。

そうしていくことで自分に合ったものが見つかり、グリーンのある暮らしや、タイアップ先様のプロダクトや想い、環境や社会ともつながっていくと想像しています。それがお客様にとって心潤うココチいい暮らしの一部となれば、私たちは本望です。

 

Text by 5PM編集部

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アンドグリーン / 土を使わない観葉植物ブランド
土を使わず水だけでお手入れ簡単、ポストに届く観葉植物。&Greenは緑との新しいつながりをつくるグリーンブランドです。
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