こどもの服にも、一生モノを。ELMISAが目指す「記憶に残る服作り」

2022.11.01
確固たるもの作りへの想いや社会への視点を持ち、未来のライフスタイルや価値観、カルチャーを作っていく5PMの仲間をご紹介します。今回は、一生モノの子ども服を目指す「ELMISA」のストーリー。子ども服のニュースタンダードを作りたいとブランドを立ち上げたママオーナー・上村紗也賀さんのこだわりと信念を追います。
ブランド
エルミサ / ベビー・キッズアパレル
ブランドが大切にしている想い
誰もがわたしらしく
Diversity&Inclusion
地球と暮らす
Sustainability

服を買った親と着る子どもの心に残る一着を

—まずは、上村さんの物や洋服に対する価値観や考え方についてうかがえますか?

 

上村:中学生の頃から、一度気に入るとずっと好きでいる性質で、お洋服や時計なども年代を感じさせない定番品を長く使っています。アクセサリーもずっと同じものをつけているので、友人には「私といえば○○」という印象があるようで、同じものを見かけたときに連絡をくれたりするんですよ。父が愛用ブランドのお洋服をずっと大切に着ているような人で、口癖のように「長く使える物を買いなさい」と言っていて。その考え方に影響されたのかもしれません。

 

—お気に入りを長く使う、という考え方はサステナビリティにもつながりますが、以前から関心はあったのでしょうか?

 

上村:ずっと「物を大切に使う」という生活ではありましたが、意識はしていませんでした。その言葉を聞いてはじめて、自分の考え方はそういうことだったんだと気づきました。自分のやってきたことが、結果的にサステナブルだったと言うほうが正しいですね。

ファウンダーの上村紗也賀さん

 

—現在4歳と0歳4ヶ月、二児の母親でもある上村さん。子ども服にはどんな印象がありましたか? またどんな基準で選んでいたのでしょうか。

 

上村:子どもが生まれたときは右も左もわからず、お洋服の良し悪しもわかりませんでしたね。ただ、かわいいお洋服はあるものの、女の子っぽいフリフリか、男の子っぽいブルーやグリーンのデザインが大半で、私が心が踊るようなお洋服はないと感じていました。それに、子ども服はすぐにサイズアウトする、とは聞いていたものの、どのくらいで買い換えるのかも知らなかったので「あんなに高かったのに、3か月しか着られないの!?」と衝撃を受けることもありました。

 

—そうしたご自身の経験を経て2019年4月にオープンされたのが、現在も運営されているECショップ「misanpojapan」ですね。

 

上村:はい、子どもの1歳のお誕生日にショップを始めました。現在は韓国で買いつけて販売をしているセレクトショップです。というのも、旅行で訪れた韓国に、私好みのアースカラーやオーガニックコットンの子ども服がたくさん売っていることを知りました。ぜひ日本で紹介したいと思い、素人にも関わらずショップを立ち上げたんです。

最初は趣味でスタートしたショップでしたが、思った以上に需要があって。幼い子どもを連れて何度も現地に行っては、日本とは全然違うサイズ表記やサイズ感に四苦八苦しつつも、商品を増やしていきました。

 

—そんなmisanpojapanのInstagramには現在約3万のフォロワーがいます。それだけのファンがいるショップを運営しながら、新たにELMISAのブランドを立ち上げられた理由は?

 

上村:子ども服は、すぐに汚れたり傷んだり、サイズアウトしたりしてしまうので、すごくこまめに買い換えなければいけません。お母さんたちがお気に入りの服をどれだけ大切に扱ってくれたとしても、縫製がダメだとどうしようもないんですよね。でも海外のお洋服は国産品に比べるとやはり縫製が甘い。売る側として、もどかしい気持ちがあり、そこを変えられるお洋服を作りたいと思いました。

また、お客さまのなかには「かわいいと思ったお洋服は長く着せたいので大きめを買う」という方がかなりいらっしゃいます。でも、身長が80cmのお子さんに100cmのお洋服を着せるとブカブカだし、ぴったりになる頃に生地がヨレヨレになっていたら着ませんよね。ジャストサイズで着てもらえないお洋服はかわいそうだと思っていたので、このサイズの問題も解決したいなと。

私は日本の老舗ブランドから海外のプチプラまで、幅広く買って子どもに着せてきたので、国産の品質の高さはよく知っています。なので、丈夫で長く着られる国産の子ども服をつくれば、みんなに喜んでもらえるのではと考えたんです。

シックでスタイリッシュな雰囲気のELMISAのウェブサイト

 

上村:また、お客さまのなかには「かわいいと思ったお洋服は長く着せたいので大きめを買う」という方がかなりいらっしゃいます。でも、身長が80cmのお子さんに100cmのお洋服を着せるとブカブカだし、ぴったりになる頃に生地がヨレヨレになっていたら着ませんよね。ジャストサイズで着てもらえないお洋服はかわいそうだと思っていたので、このサイズの問題も解決したいなと。

私は日本の老舗ブランドから海外のプチプラまで、幅広く買って子どもに着せてきたので、国産の品質の高さはよく知っています。なので、丈夫で長く着られる国産の子ども服をつくれば、みんなに喜んでもらえるのではと考えたんです。

 

—「こどもの服にも、一生モノを。」という印象的なタグラインに上村さんの想いが表現されていますね。

 

上村:子どものころ、私の母はお洋服を大切に扱ってくれていました。妹はよく私のお下がりを着ていましたし、母は昔の写真を見ながら、「この服は○○で買った」「こんな日に着せた」「この服のここが好きだった」とよく話すんです。私はそういう思い出話を聞くのが好きだし、そのお洋服たちにも愛着があります。

自分で一生懸命にお金を貯めて買ったお洋服はずっと大切に着ているし、買ったときのこともよく覚えています。それくらい大切にされているお洋服はきっと喜んでいるだろうと思う一方で、汚れたり流行が去ったりしたら捨てられる前提のお洋服は悲しんでいる気がするんです。だから、買った親と着る子どもの双方の思い出に残って、お洋服も喜んでくれるような一着を作りたいんです。
 

 

すべてくるみボタンを使用しているのも、ELMISAのこだわりのひとつ

機能性とデザイン性を兼ね備えた「Long-Life Small Wear」

—プロダクト面でのこだわりについて教えてください。

 

上村:ELMISAでは、Kids WearやBaby Wearではなく、「Long-Life Small Wear」と表現しています。これは、「子ども服」ではなく「大人服の子ども版」という印象にしたかったから。大人服のようなファッショナブルさと、トレンドに左右されないデザインがポイントです。

また、長く着てもらえるよう、縫製は特に重視しました。子ども服は汚れやすいものですが、ELMISAでは私の好きな白やベージュのアイテムが多いので、強力に汚れをはじく撥水加工を施してあります。お水をこぼしても染み込まず、ケチャップとかがついても落ちる。こうしたこだわりを実現しようと工夫するなかで、環境にやさしいサスティナブルなお洋服を作りたいという思いも、より明確になっていった気がします。

 

—デザイナーであるTakafumi Sekineさんとの出会いは? また、アイテムの企画やデザインはどのような流れで決めていくのでしょうか。

 

上村:私が叶えたい世界観と同時に、機能的で複雑なデザインが実現できるデザイナーさんを探していたときに、友人に紹介されました。Sekineさんのウェブサイトを拝見し、デザイン性も機能性も技術も高く、彼のデザインした大人服の「子ども版」があってもかわいいだろう、とも。会って話をした際に、下積みのころに子ども服を作っていたことやそのときに感じた既存の子ども服への問題意識などを聞いてみたら、私の気持ちとドンピシャだったんです。初対面から意気投合し、ぜひ一緒に作りたいと思いました。

 

ママとおそろいのシャツも、袖を取り外してノースリーブとして着られるもの

 

上村:工程としては、私から次のシーズンのコンセプトとほしいアイテムを伝えると、Sekineさんがデザインを考え、形にして出してくれます。それをもとに細部を調整してデザインを固めていく。私は絵が描けないので、ひたすら言葉で雰囲気を説明するのですが、私の考え方や世界観をかなり汲んでくださるんです。逆に、私が絶対にこういうのが好きだろうという提案をしてくださることも。価値観が近く、ブレもほとんどないんです。

 

—「長く着られる」工夫についても詳しく教えてください。

 

上村:長く着るためには、何年にも渡って着られるサイズ感と、季節を問わないシーズンレスという2つの要素が必要なんですよね。たとえば、袖がバイカラーになっているコートは、袖先がスナップで外れるつくりなので、小さいころは袖先を外し、成長したら袖をつけても、短いままでも着られるようになっています。サロペットはウエストを絞れる紐やアジャスターで調節をすることで成長に合わせて長く着られます。黒いシャツは肩から袖が取り外しできるので、夏はタンクトップ、それ以外の季節は長袖として、さらに肩の上だけ外してファッショナブルなシャツとして、と何通りにも使うことができます。

 

—機能性とデザイン性が両立されているのがすごいですね。「汚れに強い撥水加工」についてもう少し教えてください。

 

上村:布地の風合いを損なわずに、撥水機能だけが施されているのが特徴です。ウインドブレーカーのような撥水加工済みの布地はよくありますが、使える布が限られてしまいます。国産の布のやさしい手触りを損ないたくないと繊維商社さんにご相談したら、縫製後に撥水加工できる工場を紹介してくださったので、そこにお願いしています。つまり、ファッショナブルなデザインなのに、レインコート扱いもできる機能性があるんです。

 

特許も取得している工場の協力のもと、高い撥水性を実現。機能性とデザインを両立させている(画像提供:ELMISA)

 

—アイテムによっては、ママサイズも加えて親子コーデを提案されていますね。今後、パパも着られるメンズアイテムを増やす予定はありますか?

 

上村:親子コーデはとても要望が多かったんです。なかでも、男の子のママからのリクエストが圧倒的に多かったですね。実際、男の子とママがおしゃれなデザインでお揃いにできるブランドってほぼないんです。なので、親子アイテムを考えるときは、絶対に男の子とママがお揃いで着られるデザインにしようと決めていました。また、子どもの性別も問わないように男の子も女の子もかわいく着られて、お母さんともお揃いにできるようなデザインにしています。

ベーシックだがスタイリッシュなアイテムがそろうELMISAの親子コーデ(画像提供:ELMISA)

 

上村:パパ向けアイテムは、現在はカットソーだけ取り扱いがあります。確かにお父さんって、仲間はずれになりがちですよね(笑)。家族で写真を撮ろうとするとお父さんはだいたい撮影側ですし。でもそういう関係性も今後は変わっていくと思いますし、お父さんと子どもというお揃い需要も増えています。もともとSekineさんはメンズのデザイナーなので、メンズアイテムは得意分野。追々コラボしていけたらいいねと話しています。

 

—ELMISAのベビー服はプレゼント需要も高いそうですが、どんな点が強みだと思いますか?

 

上村:ELMISAの服は、シーズンに関係なく使えて、いつお渡ししても長く着てもらえるデザインが多いので、プレゼントの需要があるのだと思います。出産祝いを買うときって、店員さんは6か月後ぐらいを想定して商品を勧めるのですが、店頭にあるのはそのシーズンのアイテムなので、実際には季節がズレて着られないことが多い。私自身もお祝いでいただいたのに、着せないまま、着せた姿を見せられないままサイズアウトした高価なお洋服があって悲しかった。贈る側もいただく側もそういうズレが少ないという安心感を共有できるは、すごくハッピーだと思うんです。

2歳5ヶ月と4歳10ヶ月の2人が同じサイズ同じ商品を着用。裾や袖をつけ外す事で長く着られる仕様。

 

夢は子どもの成長に長く寄り添えるブランド

—ELMISAのアイテムをどんなふうに着てほしいですか。

 

上村:購入したお客さまやそのお子さんが、「見て笑顔! 着せて笑顔! 褒められて笑顔!」みたいに、たくさんの「笑顔」が見たいときの一着にしてほしいです。値段は決して安くないため、公園で汚すのはもったいない、ハレの日のお洋服に、と思われる方もいらっしゃると思います。でも、ぜひ普段使いにしてほしいです。

「ELMISAのロンパースに普段着を合わせるだけで、お出かけ着になってうれしい」という感想をいただきました。いまはお出かけの機会も減っていますから、お買い物や公園へのお散歩など、普段のなかでELMISAをたくさん着ていただいて、その瞬間を写真などに残してもらえたらいいですね。また、大切なご友人へのお祝いであれば、長く着ていただける分、「〇〇さんがくれたんだよ」とお子さんの印象にも長く残していただけると思います。

 

 

—今後作りたいものなど、具体的な計画はありますか?

 

上村:お洋服以外の日用雑貨も作ってみたいですね。たとえば、アルコールスプレーやボディクリームのように、小さいころから使っていたお気に入りの、お母さんから「あなたはこれをいつも使っていたのよ」と言われるようなアイテムが作れたらいいなと思っています。

 

—ELMISAのお洋服を着た子どもたちやママたちに願うことはありますか?

 

上村:子育てが始まったころはとても大変だし、何も考えられない方が多いと思います。でも、振り返ればすごく短く、すごく愛おしい時間なんですよね。ELMISAはそんな大切な時期の子どもたちにより長く寄り添えるお洋服になれたらと。その方が大人になってお子さんやお孫さんができたときに、写真や映像のなかのお洋服をきっかけに「あなたが小さいころはELMISAばかり買っていたのよ」と話ができたり。まだまだ企画段階ですが、ELMISAがお洋服から日常に使えるモノまで、いつも子どものそばにあるブランドになれたりしたら、こんなにうれしいことはありません。

 

 

上村:お客さまにとってELMISAが、幼少期に着ていたお洋服とのエピソードになったり、お洋服を買ったとき、プレゼントされたときの気持ちを蘇らせる存在になったりすることがいまの夢です。

Text by 木村早苗

Photo by 大畑陽子

Edit by 石田有紀(CINRA)

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エルミサ / ベビー・キッズアパレル
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